Afternoon Tea について その2

2001年10月7日掲載

 

 社交のためのティー ーAfternoon Teaー

 

さて、今回は社交のためのティーといわれる アフタヌーンティーについてお話してゆきます。

前回ご案内しましたように、アフタヌーンティーはビクトリア時代中期からはじまり、貴族から中流階級へと浸透してゆきます。

ちょうど、当時、植民地であった、インドでの紅茶栽培が試みられ、インド、スリランカへと栽培量増えていった時期でもあり、英国が、栄えていた時期でもあり、お茶を飲んで共に楽しむことが、広域に広まるにはいい時代でした。

英国の一番上に立つ女性、ビクトリア女王は派手なことよりも地味を好み(式典で、王冠よりボンネットを選んだりしました、宝石で飾ってはありますが...)中流家庭の模範となる部分が多かったようで、その女王さまからして、アフタヌーンティーを、大きなパーティーよりも好んだど言われていますので、アフタヌーンティーをするということは当時の女性にとって大きなウェイトを閉めていました。

赤毛のアンのお茶会

 社交としてのアフタヌーンティーの心意気の分かりやすい例として赤毛のアンにでてくるお茶のシーンが思い出されます。

 新しい牧師さん夫妻がいらしたときに、街の人々が牧師さんをそれぞれ、週末にお茶にご招待します。(なんとなく覚えていらっしゃいます?分からない人は呼んでみてください。作品として新たな感動があるかもしれません。)

アンの保護者である、マリラは、普段は質素を好むのに、テーブルの飾り付けに対して、普段は受け入れない、アンのおしゃれ心を受けうつけてしまいます。アンの「他の家で飾りについて牧師夫人が誉めていた」という言葉につられてしまったからです。お茶会に関しては他に家にひけをとっては女主人としては名折れとばかりについ、普段のポリシーとは違うことを許してしまいます。

お茶会というのは、家を清潔にし、お料理(お菓子)が作れて、家のインテリアコーディネートもできて(その知識もあっって)、お茶もおいしく入れられて、(招待状も出すので、美しい字も必要)といった、家庭をきりもりする女主人としての日常の腕の見せ所、「発表会」の場なんですね。

だから、アンもダイアナを呼んでお茶会をしていいといわれたときとても喜んだし、余所行きの振りで会話したんですね。家のなかったアンは「家をきりもりして、その証としてお茶会を開く」というのは他の子以上にあこがれっだったんじゃないでしょうか。

ドローイングルーム

 お話を戻します。アフタヌーンティーが流行していた時期は、今より、通信手段も少ないですし、娯楽も少ない時代でした。映画などで、Dinnerのあと男性と女性は別の部屋へいき、男性はタバコをすいながら、ゲームをしたり、時には政治の話をしたり、女性はドローイングルームといわれる女性用のおもてなし部屋で女性だけの会話を楽しむシーンを見かけることがあります。現在はこの習慣はほとんどないそうです、なぜならば、「女性が強くなったから」男女わけて話しをする必要はなくなったようです。(逆に過去は女性は排斥されていたともとれますね)

正式なアフタヌーンティーはドローイングルームで行われるとされています。アフタヌーンティーは社交ですが、主に女性のための社交(男性比率5%くらいだそうです)、最盛期にはあちらこちらのアフタヌーンティーに招かれ、1個所15分位ではしごして、あちこちにとりあえず、顔をだし、必要な情報をあつめ、人脈を広げるといったこともなされていたそうです。

かつては、アフタヌーンティーは大きな娯楽であり、人によっては、ただのおしゃべり、人によっては情報収集の場であり、おそらくお見合いの斡旋があったり、時には女性解放運動家の発言の場であったと考えられます。

アフタヌーンティーの今

ただ、それは昔の話しであり、実は、今ではアフタヌーンティーは家庭では通常はほとんど行われていません。

なぜならば、忙しいから、だそうです。アフタヌーンティーはティーブレイクと違って、余暇がいっぱいないとできないものです。(家庭でのおもてなしにはLunch、Dinner、Drinksが健在ですが)

 英国の家庭におけるアフタヌーンティーは社交としての役目を終えてしまったようです。他に娯楽はあるし、女性だけのあつまりは主にランチでまかない、男女をともない、家政に腕をふるうのはDinnerであり、簡単に済ませるのならば、Drinksとい方法があるからです。

英国人から聞いたお話

昨年、英国人の料理の先生がおっしゃいました。「とても素敵よね、祖母がよくやっていたわ」

数年前にティーナプキンを購入した時、リネン屋さんの店員さんが、新人さんにいっていました。

「日本人のお金持ちが買っていくもの」

英国人のお花の先生がおっしゃいました。(旦那さんはパイロット)

「子供のリクエストで、子供のお誕生日はブラウンホテルでアフタヌーンティーをするの。」

最近の英語の文献にこのような表記があります。

「作法にかなったアフタヌーンティーをするには、リッツや、ブラウン、サボイ、ウォルドルフの等の高級ホテルのラウンジにいくか、非常にラッキーなことがあって、女王かその一族に招待されることです。

 

家庭でのアフタヌーンティーの習慣がほとんどなくなってしまったと聞くと、英国の紅茶文化にさみしさを覚えますが、今は使われていなくても、知っていてためになる、ルールやマナー、古いものだからよい道具、(手刺繍のティーナプキン細工のいい、ティーキャディー。)など英国アフタヌーンティーの素敵な部分はたくさんあります。

(ちょっと古い英語の茶に関する文献には日本において茶道は良家の子女ならだれもがたしなみどの家にも茶室があると記載され、芸術の域まで高まっているとあるけれど、実情は違いますよね。でも茶道単体は芸術としての価値があることと似ているような気がします。)

昨今の私達は、それらのいい部分を取り入れ、社交のためのアフタヌーンティー行っています。

ホテル(パーティーの開催)や、洋館や、人様のお家や、自宅や、教室や、カルチャー教室で、楽しい時間を共有しています。

英国人が今やっていないことでもいいのではないでしょうか。

LunchでもDinnerでも代用がきかない、紅茶とお菓子ならではの、楽しみがあることはみなさんご存知だと思います。

 

ただ、午後お茶飲んでお菓子を頂いて、おしゃべりするのが アフタヌーンティーではなく、ビクトリア時代から20世紀始めにかけて必要だった、アフタヌーンティーのような、自己表現の場(いまから家事頑張ろうということではありません、家を切り盛りすることだけが女性の仕事の時代ではありませんから)であり、社交のためのアフタヌーンティーを今風にアレンジして、楽しんでいきたいと思っています。

 

それはどんなこと?それは次回へと続きます。

 

 

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